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2015年7月14日火曜日

3Dプリンターをつかった福祉事業モデル


3Dプリンターの特徴
・設計から制作物ができるまでの時間と手間少ない。
 ・データーさえあれば基本的に同じ物がつくれる。
 ・機材やソフトウェアが低価格で、個人でも購入することができる
 ・普通のパソコンで設計と制作ができる。
 ・同じ物をたくさん作るには時間とコストがかかる
 ・一つの物を作るのにやや時間がかかる。
 ・機材が個人向けとしては専門的で一般的な普及にはまだ時間がかかる。
・複雑な形状でもコストが変わらない

福祉事業として向いているわけ
 ・使いこなすためのハードルが低い
 ・機材購入のハードルが低い
 ・印刷物の作成などのパソコン利用のスキルを活かせる。
 ・小さい仕事のニーズに応えることができる。(少量多品種)
 ・市場が発展途上

事業モデル

 ・サイト
・3種類のユーザー
・データー制作者
3Dモデリングができる人
無料登録できる
3Dデータを投稿できる
     リクエストを元に3Dデータを作っても良いし自分で考えても良い
報酬は受け取らない
自分のデータがどれだけの利用があったかみることができる。
     (どれだけ売り上げに貢献できたかランキングがある)

・3Dモデル購入者
登録された3Dモデルの製品を購入する人
納期、材質、仕上げを指定して出力された製品を購入する。
自分で作成したデータで作成依頼もできる。
     
   ・リクエスト投稿者
ユーザー登録は必要ない
 こんな製品があったら購入したいというリクエストを投稿できる

・投票
ユーザー登録は必要ない。
リクエストについて、賛同する人は投票できる。

・福祉作業所
 投稿された3Dデータを自由に使うことができる
作成機材に応じて受注能力を登録する。
注文に応じて3Dモデルの製品を作成する。
自分のところでつくった3Dデータの注文は独占して受注することも
できる
売れ筋をみて在庫を持つこともできる。

サイトの特徴
  ・全国規模
  ・一般ユーザーが3Dデータを投稿できる
  ・投稿したデータは一般の人はダウンロードできない。
・投稿したデータの紹介は、だれでもみることができる。
  ・データを3Dプリントした物は有料で購入することができる。
    (色、材質、仕上げなども選ぶことができる)
  ・こんなものが欲しいというリクエストを投稿する事ができる。
  ・提携福祉作業所からデータを製品化したものを購入する事ができる。
・売れ筋の製品は在庫を用意しても良い。

価格設定について
案1、出来上がりのサイズから価格を自動計算、事業所による違いはない
    注文は事業所の作成能力に応じて自動的に振り分けられる。
案2、事業所が価格を設定。購入者は好きな事業所から買うことができる
    (アマゾンのように)

2015年4月30日木曜日

エンダーのゲーム

数年前に映画化されたSF小説「エンダーのゲーム」を読む。メールやネットの言論のあり方などが違和感なく読めるがかかれた年代を考えると先験的な内容を含んでいる。

ストーリーが面白いというだけでなく、リーダー育成の教科書としても読まれているそうだが教育への批判としても読むことができる。

大人の都合でルールがコロコロ変更されるゲームは、学校教育の姿とも重なって見える。

ゲームから抜け出す子どもの姿に未来への希望を託しているように感じる。

2015年4月15日水曜日

希望の教育学

フレイレ

p127

一つのポイントは、より醜からざる世界を求めてたたかいを続けている人々が戦術の必要性に目を向けることだ。とられるべき戦術はまず第一にかれの目的であり夢である戦略と矛盾しないものであることが必要だし第二に、戦略的な夢を実現する方法であるところの戦術は、歴史の中で生成し自ら形作っていくものであるから、当然、歴史とともに変容していく。

人間は歴史を作る主体であると同時に、その歴史によって形成され再形成される客体でもある。そうして人間は、たんに世界に適応するだけではなく、世界に介入する存在たりえてきた。とどのつまり、夢もまた歴史を動かす原動力の一つだったのである。
夢がなければ、変化はあり得ない。希望なしには夢があり得ないように。

p182
(進歩的と自称する権威主義的な教育者について)この人々は、被教育者の世界観から出発するということ、被教育者の世界の理解の仕方から出発するということが、どういうことを意味するかを、いつまでたっても理解することができない。

2015年3月31日火曜日

アラン・チューリングの知られざる業績

高校の頃は、生物部にいてイモリを使って尻尾や肢などが切れてもまた生えてくる再生という現象を調べていました。

その時から卵から生物の形ができてくることの不思議さに捉えられるようになりました。

生き物の形は外から誰かが削ったり、変形させて造られるのではなく細胞が性質を自分で変えることで出来上がります。

細胞は、全体を知ることはできないのに、自分はどこにいて、どうすれば良いのかを知っています。

その仕組みは、遺伝子が全て解読された今でもわかっていません。

動物の体は、節の繰り返しの構造が基本になっています。
人間の背骨、昆虫の節などなど

その細胞の塊が同じ幅で分かれていったり、皮膚の模様などパターンを生み出す仕組みとして、アラン・チューリングが考えた反応拡散方程式というものが仮説として有力視されています。


アラン・チューリングは、最近映画にもなり、ナチスドイツのエニグマ暗号を解いたことや、コンピューターの仕組みの基礎を作った人物として知られています。
イミテーション・ゲーム

原始的な計算機しかない時代に、知的な振る舞いをする人工知能についての将来像を描きました。そこで知的機械と人間が文字のやりとりをして相手が人間であると誤解させることができるかどうかで知性を判定する「チューリングテスト」を提案しています。

あまり知られていませんが晩年は、ひまわりの種の並び方、動物の皮膚の模様についてなど生物の問題に数学の視点から取り組み様々な仮説を立てています。

その中心的な考えである反応拡散方程式の基本的な考え方はそれほど難しくありません。

http://elephnote.com/blog/archives/191

長らく理論上の仮説に過ぎませんでしたが、日本の近藤滋教授が実際にゼブラフィッシュの皮膚模様の変化がコンピューターのシミュレーションと一致することをしめして、生物発生の有力な理論として注目されました。


生物発生の分野では、場とかパターンとか波動とか一般的な科学の概念とはちょっと違った怪しげにみえる言葉が使われています。

科学はあらゆる現象を物と物の関係としてとらえることが基本になっていますが、発生は物ができる過程を扱っているので難しさと面白さがあるのだと思います。

私自身は数学が苦手ですが、数理的な理解が生物のなぞをとく起爆剤になると信じています。

P.S.近藤滋教授によるチューリングの紹介がありました。ぜひごらんください。
だれがチューリングを殺したのか