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2012年1月22日日曜日

鏡の背面4

p43
こんにちもなお実在論者は外界だけを眺め、鏡が存在することを知らない。こんにちもなお観念論者は鏡のみに見入り、現実の外界に背を向けている。双方とも自分の注視の方向に阻害されて、鏡はそれ自身は映らない背面を、すなわち鏡とそれが映す現実の事物とを同じ物とする一つの面を持っていることを知らない。つまり、現実の世界を認識する働きを認識する働きを持つ生理的装置は、現実の世界に劣らず現実的なものである。この本はこの鏡の背面を扱うものである。

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