このブログを検索

2012年1月22日日曜日

鏡の背面

p161
個別反応を人工的に分離することは全く正当なことである。そのことによって、まさに犬の唾液の分泌がそうであるように、対象を量化する研究を行う恵まれた可能性が生ずるならば、とくにそうである。
ただそれを行うさい、一つのシステムの一部を切り取ったという事実はどこまでも自覚されていなければならない。これは分析の才のある人たちにも起こりがちな危険だが、しかし断じておちいってはならない思考の誤りは、そのシステムを今や分離された部分よりもたんに量的に多いものでしかなく本質的には同じであると見なして、全システムのすべてのシステム特性を理解するためにはこの部分だけで十分だと考えることである。

 
進化論、発生学など生物という同じ対象に対する見方は多くあるが
ここにいわれているようにあくまでも生物というシステムの一部分だけ
を見ているのだという自覚がないと本当の姿は見えてこない。

0 件のコメント:

コメントを投稿