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2012年1月23日月曜日

水と緑と土 追い詰められる人間

富山和子 中公新書 348 中央公論社 1974年 リサイクル図書


今日では、人間が大挙して山奥へ入り込むことじたいが、明らかな破壊になっている。踏み跡や廃棄物などの自然の許容限度をこえた「量」の多さが、渓流を汚し、森林を荒廃させている。しかしそれも、あの保護されるべきカモシカや野生の猿が、一方では苗木の新芽を食べ、農地や家畜を荒らして山村の生活を脅かしているのと同じ現象であり、もとをたどせば下流部でのすさまじい開発が、カモシカやサルを追い上げたのと同じように、都市市民を水源地域にまで追いつめてきたからにほかならない。


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