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2012年2月14日火曜日

不死への欲求=愛の目的

饗宴 プラトーン P91-92 

「まことに愛の対象とは、あなたが考えているように、ただに美しいもの、というのではありません」
 「では、いったい、何だとおっしゃいます?」
 「美しいものにおいて生産分娩することをと目的しているのです。」

 -略 「それなら、そもそも何のために、その出産に向かうのでしょう?ほかでもない。出産とは死すべきものにあって、いわば永久なるもの、不死なるもの、であるためなのです。思うにいやしくも、善きものが永久にわがものになることを、愛が目的としている以上、その愛が善とともに不死をも欲求することは、以上認められたことから当然考えられることでしょう。ですから、この考えの結論として、また当然、愛の対象とは不死でもある、ということにならなくではなりません」


 P96 
身体の面で懐妊している人々は、むしろ女性に向かいます。
彼らは、子供をつくることにより、不死、思い出、幸福を未来永久にわが身のものにしようという考えで、その方途をとおって、愛する人となっているのです。
これに対し、魂の面で懐妊つまり、身体においても、はるかにすぐれた懐妊-魂にとって懐妊したり産んだりするにふさわしいもの(何がふさわしいとお思いですか?知慮やその他の徳のことです。)、
そういうふさわしいものを、魂において懐妊している人びとが、もとより世には存在しているものです。


  死にいたる病 キルケゴール

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