学歴の社会史
教育と日本の近代
天野郁夫 新潮選書 新潮社 1100円
p270
明治維新は政治的な革命であっただけでなく、社会革命であり、文化革命でもあった。
その革命の一環としてつくられた教育と学歴の制度は、少なくとも発足の当時には
、若者たちの夢と希望を膨らませ、社会的な上昇の機会を開き、提供してくれるものであった。学校は財産とも家柄とも関係ない、自分だけの能力だけがものをいう「立身出世」のもっとも重要な手段だったのである。しかし、「革命」から三十年たち四十年たつうちに、教育と学歴は上昇移動の機会を開放するよりも、統制する役割を強めはじめた。
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